質問:

なぜ字幕とクローズドキャプションに関するNetflixの基準はここまで厳しいのでしょうか?

回答:

Netflixにおいて、字幕とクローズドキャプションはメインアセットとして扱っています。

字幕とクローズドキャプションは、これまでサブアセットとみなされてきました。 Netflixの技術仕様でさえも、字幕とクローズドキャプション (タイムテキスト) をNetflixへの納品が必要なサブアセットとして記載しています。 しかし実際は、世界中にいる数百万人のNetflixメンバーにとって、タイムテキストファイルはメインアセットなのです。

タイムテキストファイルは、外国語の会話を翻訳したり、聴覚障害者にコンテンツを楽しんでいただくために必要なだけでなく、周りの音が騒がしい環境でコンテンツを観られるようにするためにも必要です。 モバイルデバイスの急速な発展により、お気に入りの映画やTV番組を楽しむためにリビングルームは必要なくなりました。 Netflixは、メンバーひとりひとりの好きな時間にコンテンツを観られるようにしています。また、字幕により、メンバーは静かな状態やヘッドフォンがなくてもコンテンツを楽しむことができます。 タイムテキストファイルはNetflixサービスにとって最も重要であるだけでなく、リビングルームをエンターテインメントの必須条件とせずに、世界中のあらゆる場所でメディアを視聴できるためにも非常に重要です。

Netflixは世界各国にサービスを拡張しているため、正確かつ自然な翻訳は重要な要素の一つです。 かつては長い納品物リストに記載された多くの項目のひとつでしかなかったことが、今ではさらに厳しい基準が設けられるようになりました。Netflixの基準を満たさない翻訳である、というエラータイプからのファイル却下が最近では多く見受けられます。同じものが放送やホームビデオにも使用されていたという理由で、Netflixでも同じデータを許諾すべきだという声もあります。 しかしNetflixは今後も、あらゆる方面で映画やテレビの視聴体験を改善していくために、以前の古い基準を更新しなければならないことが多々あります。 翻訳が過去に他の媒体で許諾されていたとしても、現在のNetflixの基準を満たしているとは限りません。

Netflixのメンバーは単純に、障壁が一切ない視聴体験を欲しています。これはすなわち、読んでいることを意識せずに字幕やクローズドキャプションを体験するということです。 不自然な言葉使いは、視聴体験をサポートするどころか、観ている者の視聴体験を損なってしまいます。 ほとんどの場合、これらはとてつもなく大きな間違いではなく、実際は非常に微妙な間違いによってもたらされます。 翻訳が文法的に正しくても、視聴者にとって自然でない語句や表現があれば、Netflixはそのファイルを拒否する場合があります。 たとえば、英語以外の言語で「あなたの記憶を呼び起こしてあげましょう」と、あるキャラクターが言っている場合、英語の翻訳を「let me refresh your mind (あなたの頭を呼び起こしてあげましょう)」とするのは不適切です。 これは、他のプラットフォームでは見すごせる翻訳だったかもしれません。また、言わんとすることは推測できるかもしれませんが、単純に読んでいてこの文は自然ではないのです。 誰かに過去の記憶を思い出してほしいとき、「let me refresh your mind (あなたの頭を呼び起こしてあげましょう)」とは普段言いません。 このような間違いがある場合、作品全体で一度しか発生しない事象であることはめったにありません。むしろ、翻訳された言語がその言語の母国語の人によって翻訳されていないことを明らかに示す間違いです。

Netflixの処理についてもう少し説明するために、たとえばスペイン語の映画用の英語字幕をQCする際、スペイン語の知識がない英語のネイティブスピーカーに数分間、コンテンツを観てもらいます。 このときに自然に読めない例を見つけた場合、そのファイルは拒否されます。 Netflixではアセットが納品される前に、このような言語チェックが行われることをお願いしています。

言語の品質におけるもう1つの重要な局面は字幕全体を読む能力です。以前は、読む速度が実際に読める速度かどうかをあまり気にしていませんでした。様々な検討をし、調査を行った結果、言語ごとのスタイルガイドに自然な読むスピードを定義するに至りました。文が読むより早く進んでしまったら、翻訳の品質はなんの意味もなくなってしまいます。

最終的には、字幕とクローズドキャプションに対する考え方を改めていただく必要があります。 コンテンツという物理的な境界が明確ではない世界において、字幕はサブアセットとして扱うことができないことが事実であるため、上記を了承していただきたいと思います。

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