Netflix オリジナル作品: 撮影とポストプロダクションに関する必要要件 v2.1

範囲
本文書では、キャプチャーからアーカイブまでプロジェクトの全工程を通して確実に高い品質水準を維持できるよう、撮影とポストプロダクションに関するワークフローの技術要件を提示します。 これは、Netflixのプラットフォームと視聴体験が進化し続ける中で、次世代技術でも作品を利用できるようにするためのものです。

詳細については、オリジナル作品に関するよくあるご質問を参照してください。

以下よりこの記事のPDF版をダウンロードすることができます:

英語

日本語



カメラの要件

4K解像度:
• 真の4Kセンサー (4096ピクセル幅以上) がカメラに搭載されていること。


収録形式:
• 画像処理は16ビットリニアまたは10ビットログ形式以上

• 収録は(23.98/24 fpsで) 240 Mbps以上のビットレート

• 収録形式は以下のいずれかを設定すること:


    • RAW (非圧縮または軽度に圧縮されたセンサーデータ)

    • ログカラースペース ( S-Log3, V-Log, CanonLog3, REDLogFilm, BMDLog, LogC等)

• ルックやカラー補正をオリジナルカメラファイルに焼きこまないこと。

• ファイルは、すべてのメタデータ ( テープ名、タイムコード、フレームレート、ISO、WB等) を維持していること。


アスペクト比 / フレーミング:
• アスペクト比が2.00:1を超える場合は、Netflixと検討および協議の上承認を得ること。

• フレーミングチャートは、撮影開始前に必ず撮影し、編集、ポストプロダクション、VFXと共有されるデイリーのパイプラインを通して処理すること。


サブカメラ:
• メインカメラ以外のカメラ (クラッシュカメラ、POV、ドローン、水中カメラ等) の使用については、Netflixの承認を得ること。

• テスト映像を撮影し、メインカメラとの整合性を確認できるよう、デイリーとポストプロダクションに提供すること。

認定済みカメラ:

cameras.png

カラーパイプラインの要件

カラーパイプラインの最終段階ぎりぎりまで、可能な限り最大のカラースペースで映像が保存されるようにすることが重要です。 これはACESで簡単に実現することができます。ACESでは、映像がハイダイナミックレンジ、広い色域で維持される上、対象の表示用ディスプレイに適した出力変換をユーザーが簡単に選択できるようになっています。 また、事前に注意深くカラーマネジメントを行い、変換LUTとビューイングLUTを使用することで、主要カメラのカラースペースで作業をしている間にもこれを実現することができます。 以下にこれら2つの方法の概要をご紹介します。 ご不明な点がありましたらNetflixまでご連絡ください。

カラーパイプライン関連文書は、撮影初日よりも前の時点でプロダクションとポストプロダクションの間で共有されているものとします。

ACES以外のパイプライン (カメラネイティブ+作品用LUT)::

  • 作業用カラースペースが定義されていること、また、すべての部門に展開されていること。
    • 例: Sony SLog3-SGamut3.CINE, REDLogFilm-DragonColor, Panasonic V-Log-V-Gamut, CanonLog3-CinemaGamut
  • アウトプットLUT/作品用LUTが定義されていること、また、すべての部門で共有されていること

ACESのパイプライン:

  • ACESのバージョン (例 v1.0.2) が定義されていること、また、すべての部門で共有されていること。


オンセットとデイリーのカラー:

  • CDLのみ
    • ポストプロダクションでの整合性を確認するためのセカンダリ、キー、パワーウィンドウは不要。
  • 作業の順序は非常に重要
    • CDLは、出力変換前に必ず適用されること。
    • 下図を参照。
  • オンセットおよびデイリーのモニターは、Rec.709/BT.1886規格、または同等のHDR規格 ( PQ/SMPTE ST.2084等) に準じて較正されていること。


Color_Pipeline_v2.1_onset_a.png



Color_Pipeline_v2.1_a.png

Color_Pipeline_v2.1_SDR_a.png

デイリーの要件

シナリオがあるすべてのプロジェクトについては、オンセットデイリーまたはニアセットデイリーのサービスが、ダウンストリーム処理の効率化に必須となります。

カラーと同期:

  • 撮影時の音声は、編集用メディアに使用できるよう、カメラ映像と同期されていること。
  • 上記に定義されたカラーパイプラインに従って色が適用されること。
    • CDLがある場合は、LUTの前に適用すること。
    • デイリーでのセカンダリ、キー、パワーウィンドウは不要。
  • グレーディングモニターは、REC.709/BT.1886規格、または同等のHDR規格 ( SMPTE ST.2084等) に準じて較正されていること。


編集用およびレビュー用のプロキシとメタデータ:

  • ALE / ビンは、CDLとLUTの名前が記載された欄を含むすべてのカメラおよび音声のメタデータを使って作成されること。
  • 編集用メディアとプロキシの納品物は、サブプロキシではなく、元のカメラRAWファイルから作成すること。

バックアップ/データの確認:

  • すべての元のカメラ映像と音声から、MD5チェックサムのあるバックアップコピーを2部以上作成すること。
  • 映像は、シーン/テイクの情報を含むカメラレポートに照らして、予想される問題に関してQCを行うこと。
  • カメラのRAW映像、音声、および色情報のアーカイブは、そのカメラ、音声記録装置、デイリーソフトによって作成された元のディレクトリ構造、ファイル名、メタデータを維持し、次のいずれか (複数可) で保管すること:
    • LTFS形式のLTO-5、LTO-6、またはLTO-7テープ
    • Netflixのクラウドベースのコンテンツハブ
    • RAIDで高速化・データ保護された外部ハードドライブ
  • 複数のバックアップが別の場所で完了し確認された後は、カメラマガジンと収録メディアはクリアしてもよい。


ポストプロダクションの要件

コンフォームとVFX

  • フレーミングチャートは、すべてのタイムライン (エピソード / リールごと) の先頭に置かれていること。
  • コンフォームおよびVFX用のプル(素材切り出し)は:
    • 解像度が4K以上であること。
    • 以下のいずれかのファイル形式であること:
      • ACESまたはカメラのリニアカラースペースでの16ビットEXR (.exr)
      • カメラのログカラースペースにおける10ビットDPX (.dpx)
  • VFXプルにはCDL、LUT (ある場合)、デイリーのカラーリファレンスが含まれていること。
    • VFXと編集との間のデイリーカラーの一致を確認するため、ラウンドトリップテストを行うこと。
  • EDL、AAF、またはXMLは、オンラインコンフォームにあたりオリジナル4Kファイルを参照する必要がある。
  • プロキシファイルまたは中間ファイルは、編集、プレビュー、および/または音声吹替/タイムテキストの作成を行う際の参照用としてのみ使用すること。


IMF マスター

  • IMFは、圧縮ファイル (例 ProRes、DNX) からではなく、圧縮されていない最終ビデオマスター ( DPX、EXR、またはTIFF) から作成されること。
  • 対応する解像度:
    • UHD: 3840x2160 
    • 4K: 4096x2160 (4K以上で仕上げられた場合)

IMFの全仕様については、Netflixのオリジナル作品納品仕様を参照。


アーカイブ素材

  • フレーミングチャートは、すべてのアーカイブマスター (エピソード / リールごと) の先頭に置かれていること。
  • テキストなしのセクションがすべてのアーカイブマスター用に提供されること。
  • 映像:
    • NAM - グレーディングされていないアーカイブマスター
      • 作業用カラースペース (ログまたはリニア) ではグレーディングされていない
    • GAM - グレーディングされたアーカイブマスター
      • このアセットに関する詳細は、上記のカラーパイプライン図を参照。
      • 作業用カラースペース (ログまたはリニア) ではグレーディングされている
      • LUTまたはACESバージョンがアーカイブパッケージに含まれていること
    • VDM - ビデオディスプレイマスター
      • ディスプレイカラースペース (Rec.709、PQ、DCDM) でグレーディングされている
    • カラーグレーディング作業 (例: Resolve .drp、Baselight .blscene)
  • 音声:
    • 最終音声ミックスすべて (ニアフィールド5.1および2.0)、ステム、M&E
    • 調整または要請に応じた必要に応じて、その他のpre-dub等の素材
    • 48kHz/24ビット以上、96kHz/24ビット推奨
    • 音声ミックス / マスタリングプロジェクト (Pro Toolsのセッション)
  • 編集プロジェクト (Avidビン、EDL/AAF、Final Cut Pro .fcp/.fcpx、Premiere Pro .prproj等)
    • 編集者用のアセンブリ
    • ディレクターズカット
    • プレビューカット (ある場合)
    • ファイナルカット

上記は必要な納品物をすべて網羅していません。
納品物の全一覧については、担当のコンテンツ配信担当者にお問い合せください。
納品方法および命名規則については、Netflixのコンテンツハブの納品仕様を参照してください。

 



履歴:

2017-03-03

  • 仕様書の統合: v2.1より、今まで映画/TVシリーズ用とドキュメンタリ/コメディ用に別々にあった仕様書を1つにまとめました。これは、コンテンツタイプ間で内容が重複する箇所がかなり多かったためです。これにより、要件を簡素化し、各チームがコストとワークフローのバランスをとる中で、自由に、且つ責任をもってこの仕様書に沿った制作を行うことができるようになったと考えます。
  • カメラ:
    • Canon C700 追加
    • RED Helium 追加
    • Panavision DXL 追加
    • ARRI Alexa 65 (6K) 追加
    • Sony FS7 追加
  • カラーパイプライン:
    • 導入部に詳細を追加 
    • Dolby Vision HDR ワークフロー図追加
    • Order of Operations(作業の順番)の図にオンセット CDL 追加
  • デイリー:
    • 脚本のない作品(リアリティショー、ドキュメンタリーなど)のワークフローに対応するため、デイリーは脚本のある作品のみの要件として記載
  • バックアップ / データ:
    • 1つの独立したセクションにデータ管理の要件を記載
  • ポストプロダクション:
    • 特定のログワークフローを考慮し、10ビットDPXも許容
    • フィードバックを元に、4KとUHDのIMFに関する言葉を修正
    • コンテンツハブの納品仕様へのリンクを更新
この記事は役に立ちましたか?
225人中205人がこの記事が役に立ったと言っています